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島田紳助が伝える【漫才の教科書】

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『紳竜の研究』動画 書き起こし

島田紳助 授業



漫才の教科書

漫才というのは教科書が無いわけやんか。

だから、俺は18でこの世界入った時にまず自分で教科書を作ろうと思った。

教科書が無いもんは勉強できひんやないかと。

僕がやったんは、コンビを組んでね。

今、世の中収録進んでるから僕らの時代はテープしかなかったから。

ほんで、自分が「おもろい!」って思った漫才師いるやんか。

自分が「おもろい!」って思う漫才師が自分の感覚に1番近いのよ

ほんで、それをテープに録る。テレビでも録れるやん、録画でもできるやん。

それを何遍見ても一緒やねん紙に書くの。すっごい邪魔くさいけど。

ずっーと、一個ずつ一個ずつ止めては止めては全部紙に書くの。

AとBの漫才を全部ずっーと紙に書くの

ほんで、こっちおもろい漫才が「これおもろい!」って思うやん。

そういう奴らを何組かだけ、物凄い時間かかるよ。それを暇やからできるやんか。

それをずっーと紙に書くの。

それをずっーと見て、いっつも寝る前考えんねん。「どう違うねん?」。



例えば、「おもろい!」と思う漫才は何でか知らんけどウケんねんし、おもろいわけやから。

それをバラバラに分析していくの。ほんで書くことによって、すぐ見て分からへんよ。

でも、いっぱい違いが出てくんねん。「どう違うねん?」

例えば、オチに入った時の文字数が急に少ななったりとか。

例えば、僕がやった時は昔、偉い師匠方がおられた。上手い、名人と言われる人。

名人と言われる人と僕がおもろいと思う漫才師の人を分析する。

すると1分間の中の間の数が違ったんですよ。1分間の間。あるでしょ?

書き出されてく、こう1分経過、2分経過って分けてくんやけど。

すると1分間の中の間の数がちゃうのよ

僕がやった時は違ったんよ。

そりゃそうやね。10年やってる人、20年やってる人、上手いに決まってるよね。だから、間が細かいの

ほんで、例えば1分間に上手い漫才師の間が20個あったとしようよ。

ほんで俺たちが20個の漫才の間を作ったら、そらやっぱ時間かかるわ上手なるまでに。

でも、俺たち漫才師になろうと思てる人間ですら、1分間に「何回ずつ喋ったろう」って数えたことがないのよ。

観てる人なんかそんなん気にしてないねん。

おもろいかおもろないかだけなんよ。おもしろいかおもしろないかだけしか観てへんねんお客さんは。

だったら、下手でもおもろかったらええわけ。

「上手い!」なんて言われる必要ないわけ。

だから、僕たちが例えば僕らの時代27、8年前の話やけど、B&B、ツービート、紳助竜介とあの三組は同じことしてた。

1分間の中の間が少ない。

上手い人は20個ある。ほんで俺らは8個しかない。どう考えたって8個の方が失敗するリスクが少ないよね。

ほんで、1人の人間が圧倒的に喋る事によってリズムが作りやすい。

だから技術的に言うたら決して上手い漫才ではない。下手くそな漫才。でもお客さん分かんない。 



オチのパターンを分析

ほんで今、千里さん。海原千里さん当時の。

同い年やけど、高校生の頃からスターやってね。

全然よその会社やってんけど、やっぱ同じように僕がテープを録りに行ったんですよ。黙ってね。

劇場やから怒られるから。テープを忍ばせて、1番前座って漫才録って。

ほんで2本ぐらい漫才録って家帰って同じように分析すんのよ

ほんで分析してはじめて見えることがあんねんね。

なんで高校生やのにこんなおもろいねん。

高校生やのになんでこんな千里万里さんこんなスターやねんと。

お客さん爆笑やと。俺が見ててもおもろい思う。

「なんでやねん」と思って分析したら、ネタの8割が同じパターンやねんね。

あの、オチのパターン。オチって色んな種類のオチがあるやんか。

そのオチのパターンが8割一緒やねん。

で、僕はね。その千里万里さんの分析して「なるほど」と。

こんなこと、さっきも言うたように漫才師になろうとしてる俺も気がつかへん

ということは金払って観てる客なんか気いついてへんわけやんか。プロちゃうんやから。

「パターン多いでこれ」「同じ球多いで」って。

野球で言うたらもう8割フォークボールなんよ。千里万里さんの漫才当時ね。ほんで2割がまっすぐなんよ。

で、まっすぐが凄いんか言われたら、そんな凄ないんよ。

でも、さすがに全部フォーク投げたら客も感じるし飽きるよね。

だからあえて2割、3割という自分にとって素晴らしい球ではないんやけど、それをちりばめるわけよね。

で、まっすぐ投げるがごとにフォークが新しく見える。野球と一緒やね。

フォークボールばっかり来たらどんなフォーク投げてもやがて打たれてしまう。

でも、凄いフォーク投げるピッチャーだって、たまにストライク、まっすぐ投げてくる。

ただ、その千里万里さんの漫才で言うと、まっすぐでストライク取ろう思うてないんよね。

後の8割、7割のフォークボールをキレ良く見せるためのまっすぐ。

お客さんの目をくらますためのまっすぐやと。

そういう事をね。はじめコンビ組む前に1人でずっーと勉強してたんですよ

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