「面白い」はつくれる!

お笑いテキスト






すべらない話 よしもとクリエイティブ・エージェンシー 木村祐一

木村祐一【車屋の菊池】

更新日:

木村祐一『プロフィール』

お笑い芸人(吉本芸人) 木村祐一

性別:男性
生年月日:1963年02月09日
身長/体重:168cm /63kg
血液型:AB型
出身地:京都府 京都市右京区
趣味:写真撮影 映画鑑賞 野球観戦
出身/入社/入門:1986年
Twitter:@kimkimni

(出典:https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=649



笑いの分類『情的な笑い』/サゲの分類『へん』

【関連】笑わせ方の根底にある「緊張の緩和」と「笑いの分類・サゲの分類」

すべらない話『書き起こし』と『 オチの種類』

【関連】ボケの種類 18種

【関連】笑いが起きる法則(フリ・オチ・フォロー)とは



あのー車屋のおっさんの話なんですけど。

考えられない車屋の、おっさんなんですよ。(キレオチフリ

あのー見に行って。

あのー、なかなか欲しい色がなかったんですよ。

黄色が欲しかったんですけど。

もう紺か赤しかないから。もうしょうがないから。

「もう紺でええか」と思って買いに行ったら、たまたま黄色があったから。

「どうしたんですか?」ネットで調べてもそれまで出てなかったんで。

「いや、あの昨日入りました」と

「うわ、もうこれ絶対運命や」言うて。

もうすぐ申込金払って。

担当あの「菊池です」と「今後ともよろしくお願いします」と。
32歳ぐらいですかね。結婚指はめた。
まぁちょっとシュッとした会社のディーラーの子ですから。
爽やかな感じの、まあようやってくれそうな子なんです。(キレオチフリ

で、まぁこう申し込みして。

で、やっとまあ書類やなんやかんやして。

で、もうその途中で手違いがものすごい多いんですよ
最初「菊池さん」言うてたんですけど。
だんだんだんだんもう腹たってくるような。(キレオチフリ

例えばその「ナンバープレートをこれにしてくれ」言うたら、もう全然違う数字で車検証上がってきたりとか。

お金振り込んだのに「いつですか?」って電話かかってきたりとか。

「何考えとんねん」っていうことがものすごく続いて。



で、なんやかんやあるんですけど、やっとまあまあ納車の日。

もうせっかくの、そのー求めてた色もあったから。

もうできるだけ怒らんとこうということで。

まぁ「納車今日終わったら何もないわー」と思ったら。

1時に来る言うて。

12時40分くらいから表でこうゴルフのスイングしたりとかして。楽しみで。

その菊池と「もう一人若い奴と2台で行きます」と。

で、「そこの交番のとこ鋭角に曲がって、最初のカーブミラーを右曲がりまんねんで」言うてるんですけど。
最初かかってきた時そこまた通り過ぎてるんですよ。

「いや、だからそこ一方通行やからバックでけへんから。もっかい山手通り回って行かなあかん。」

もうまあしばらくまた家ちょっとだけ入って。なんか水飲んでまた出て待ってたんです。

もう坂の上の最初言うたカーブミラーのとこをこっちに降りて来なあかんのですよ。

もう200メートルくらい向こうなんですよ。

また行きよるんですよ。

「また1周や」ってまた電話して。

「今のとこ見てました」と。
「今のとこや」。

黄色いのが行ってるから。
なんでここ来るはずのやつが何回も向こう行くねん。

ほんでまた2回目でやっと来て。

乗ってた方が、もう一人新入社員の方をやったみたいなんすよ。

で、菊池はその会社の乗って2人で乗って帰る紺の別の家の前停めて。
で、このガレージに停めてくださいと。
で、こうバックで入れよるんです。
バックもそれが下手で。

もうそんな狭い駐車場ちゃうんですよ。

こう斜めに入って、前出て。
今度ちょっとこっちなって。
また戻して。

「あのもう次やりますわ」思った時に「スーっ」と入ったか思ったら、家の前洗濯機置いてたんです。
で、最後の最後にそこに「ゴッチーン!」当たりよったんです。

もうそれでもう「ブッチーン!」きて。(キレオチフリ

今までのこともあるから。

「もう降りろお前!菊池来ーい!ナンバーは間違う。振り込みはまだか電話ある。カーブミラー何回も行きすぎる。最後の最後に洗濯機に当てるってどういうことやーお前!考えられへんぞ!」キレオチフリ

「申し訳ございません」

「いやもう許せーん!この件はもう絶対水に流すわけにはいかん!お前今から会社帰って上司と連名で直筆で菊池と上司の名前なんか知らんけど、なんとか部長がなんかの名前書いてハンコ押して、詫び状すぐ持ってこーい!まだ家におるから、行けー!」キレオチフリ

「わかりましたー」 言うて行きよったんですけど。



10分くらいしたら「ピンポーン」来るんですよ。

そんな早い事戻ってこれるはずないんですけど。

ほんでその若い奴は返して菊池だけがドアの前に立っとるんですよ。

「なんやねん?」

「このたびの数々の不祥事、木村様にはもうお詫びのしようがございません。私、色々あれから本社に戻りまして言われた通り書類を作成しようかとも考えましたが、ここは責任を取らせて頂くべく会社を辞める決意を致しました。」キレオチフリ

「ちゃうちゃうちゃうちゃう。待てお前。待て」と。

「お前がやめようと思ってたかもしれんやろ?それは知らん。なんかこれをきっかけに都合のいいようにお前、国会議員みたいにお前クビで済ますとか簡単なこと、手段をとるな!ははーん。わかったぞ菊池。上司に言うのが嫌やってんな?」キレオチフリ

「はい」

「そうか。情けないぞ菊池。」キレオチ

「いや、お前分かる。上司と普段からお前がそういう責任をとってもらえるような間柄を築いてなかったんやな」と。

「それはでもお前にも責任があるぞ。お前の上司もそれは情けない。俺がお前の上司なら、お前のミス、一緒に謝りに行ったるぞ。そういう間柄を築かれへんかった上司にもお前にも問題がある。分かった。もう上司の直筆のサインはいらん。お前だけのもんでええから持って来い。そして、やめるというのはもう聞かへんかったことにする。」キレオチ

「家族もおんにゃろ?」と。
「お前男なら、木村さん怒らしてしもた」と。
「お前俺の商売も分かってるやろ?これもテレビで言う。そらも覚悟せえ。実名も出す。それはええな?」

「はい」

「お前がもし男として仕事のけじめとりたいなら、俺がその車をもうええわ、もう乗り換えるわ。っていう日まで勤め上げて。それからやめるならやめて。不動産屋にお前が再就職するならば、名刺の一つでも持ってきたら、俺が将来家買う時はじゃあ菊池から買うたろかいと。そう思われるような人間になれ。」キレオチ

菊池、玄関先で涙ボロボロ、ボロボロ。

「こんなにミスした私にそんな言葉をかけてくださるなんて。ありがたい」言うて。

「もう行けー」言うて。

「これからは男の付き合いや」言うて。キレオチ

また30分後来て。「ピンポン」押して。

「これあの木村様の温情に感謝しまして些少ですが、こちらお納めください」言うて。
「うちの会社の車フランス製ですので、フランス産のワインでございます。」
キレオチフリ

「酒持ってきてどうすんねん!今から乗んねん。そういうとこやぞ菊池。」キレオチ

何でそうなったかは僕もわからないです。何でそんな説教。



-すべらない話, よしもとクリエイティブ・エージェンシー, 木村祐一
-,

Copyright© お笑いテキスト , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.